大阪・泉州の地で、タオルを作る会社として誕生したウエノ。この地で130年以上の歴史を持つ伝統的な製造方法を継承する一方、時流に合ったものづくりも行っています。今回は、泉州タオルがどんなふうに作られているのか、ウエノの製造現場についてご紹介します。
そもそもタオルは、糸から出来る織物。ウエノの製織工場に入ると、目の前にあるのは大きな、大きな糸巻き。家庭で裁縫の際に使う“ボビン”の超巨大版に糸が巻かれている…といえば想像していただけるでしょうか。糸を含めると1つで800kgもの重さになります。これをタテ糸として織り機にかけ、ヨコ糸と交差させながら生地を織っていくのです。
工場内は終日、ガシャガシャという大きな機織りの音が鳴り響いています。織り機は全部で17台。それぞれタオルのタイプ別に織り方が設定されていて、バスタオルなら1日で約360枚織ることができます。高速スピードで織るために、糸はあらかじめバリッと糊づけ(サイジング)して強度をつけています。
製織が終わった織物は生機(きばた)といい、大きな巻物状。この時点でもまだタオルの形に裁断しませんが、長辺両端の“ミミ”といわれる部分は、ミシンで縫っていきます。ミシンといってもこちらも業務用の大きな機械。かなりのスピードで縫い進み、扱うスタッフも体力が要る立ち仕事です。
糸は乾燥すると切れやすくなるデリケートな素材。乾燥を避けるために工場内には大きな加湿装置があり、常に湿度は70〜80%に保たれています。夏はエアコンをつけても多くの機械が稼働していると蒸し暑く、脱水や熱中症には気をつけなければいけません。そのため、工場にはウォーターサーバーや塩飴がいつも備えられています。
また近年は新型コロナウイルス感染症に対応して、手洗いやアルコール消毒を徹底し、整理整頓によりいっそう気を配り、衛生的で安心・安全なタオルをお客様にお届けできるよう心掛けています。
さて、生機の完成までがタオル作りでは半分の工程。この先は、製造の要といえる泉州ならではの「後晒し工程」に入っていきます。その現場については、次回のブログでご紹介したいと思います。
ウエノで生産されたタオルは、こちらで紹介されています。
泉州タオル工房
https://www.towel-kobo.jp
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