伝統+サスティナブルな泉州のタオル作り 〜Part.2〜

前回、生機(きばた)ができるまでをご紹介したタオル作り。次は、いよいよ「後晒し」の工程に入ります。“晒し”とは、糸についた糊などの不純物を取り除き(精練)、白くする(漂白)することで、泉州タオルでは織り上がった後に行うので、後晒しと呼ばれます。タオルの風合いや吸水性を左右する大切な工程です。

後晒しは、ウエノでは専門の染工場にお願いしています。長年お付き合いいただいている、泉州でも優秀な技術をたくさんお持ちの工場です。特筆すべきは、加工技術や品質管理もさることながら、環境に配慮し、サスティナブルな製造方法にいち早く取り組まれていること。こちらでは精練の際に化学薬品ではなく、アミラーゼ(酵素)を使っています。大型の容器に生機を入れ、酵素でつけ込むこと18時間。酵素が活性化して糊を取り除いてくれます。化学薬品を使えばもっと短時間で済む作業ですが、あえて人や自然にやさしいこの方法を採用しています。ちなみに、工場の排熱も循環させる仕組みがあり、エネルギーとして再利用。エコに徹底しているのです。

精練後は、漂白し、カラーの製品は染色へと進みます。生地は精練も含め作業するごとに、濾過した地下水で、何度も何度も洗われます。一日に使う水は、なんと2千トン近くにも。初めて工場に伺ったときは、私も大量の水と水流の勢いに圧倒されました。これだけしっかり水洗いを繰り返すのは後晒しだからこそ。どおりで泉州タオルは清潔で安心なはずだと納得したものです。
そして、もちろん使った水も無駄にはしません。工場の外には大きな浄水プールがあり、溜められた廃水はバクテリアによって浄化され、大阪府で決められた基準値をクリアしたうえで近くの川に流されます。

染色を終えた生地は、製品のタイプに合わせた機械で乾燥させて、再びウエノへ。長い生地を裁断し、ミシンで短辺両端の“ヘム”と呼ばれる部分を縫製すると、この時点でようやく1枚のタオルの形になります。最後にタグ付けをし、パイルが伸びていないか、染めムラがないかなど、一枚一枚人の目で厳しく検品を行って完成となります。

泉州タオルのよさは、水をよく吸い、買ってすぐに使える清潔なところ。製造現場では、その後晒しならではの特長を守りつつよりよいものを作ろうと、技術や経験を駆使し、日々試行錯誤を重ねています。近年は、そこに環境対策やサスティナブルな視点もプラス。商品としてもさまざまなタイプを取り揃え、私たちのタオル作りは、日々進化しているのです。

ウエノで生産されたタオルは、こちらで紹介されています。
泉州タオル工房
https://www.towel-kobo.jp

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